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 アジア・太平洋地域の各国国防相らによる「アジア安全保障会議(シャングリラ対話)」(29~31日)の行方が注目されている。南シナ海の岩礁を次々と軍事基地化している中国に対し、参加各国による包囲網構築が予想されるからだ。中国は、韓国を味方に引き込もうと画策しているようだが、中韓両国が孤立を深める可能性は高い。

 「力を背景とする現状変更の試みは、海洋の安定的利用に対するリスクだ」

 中谷元・防衛相は、会議参加のためにシンガポール入りする前日29日の記者会見で、中国が強行する南シナ海での岩礁埋め立てに、改めて強い懸念を表明した。

 中国の暴挙には、米軍が哨戒機などによる警戒監視活動を継続しているほか、日本の海上自衛隊もフィリピン海軍と共同訓練を実施するなど、関係各国による「一分の隙もない」(カーター米国防長官)防衛協力に向けた機運が高まっている。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「シャングリラ対話は、対中包囲網構築が進む契機になるのではないか。安倍晋三首相の訪米によって日米関係の基軸が強固になったことも、防衛協力の進展を後押しする」と分析する。

 安倍首相は昨年のシャングリラ対話で、中国の海洋進出を「既成事実を積み重ね、現状の変化を固定しようとする動きだ」と厳しく非難し、参加各国から高い評価を得た。この結果、中国は「アジアの中で孤立化することへの恐れを抱いた」(評論家の石平氏)とされる。

 このため、中国は最近、韓国への懐柔工作を強めている。

 韓国が反対の狼煙を上げた、「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録に賛同しているうえ、慰安婦と南京事件に関する資料を連携して世界記憶遺産に登録しようと暗躍しているのだ。

 シャングリラ対話では、4年ぶりとなる日韓防衛相会談も予定されているが、中国のブラ下げたニンジンに韓国は目を輝かせているとされる。

 前出の藤井氏は「韓国はこれまで、米中間で『二股(コウモリ)外交』を展開してきたが、異常な“反日バネ”も手伝い、今は中国側に傾きつつあるようだ。アジア・太平洋諸国による対中包囲網には入らず、中韓で孤立化するのではないか」と語っている。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150531/frn1505310830002-n1.htm